【第7回】伊豆・伊東温泉旅 1996. 05

 1996年2月の連休に、女装パソコンネットEONの仲間や新宿のお店の友達、合わ
せて9人で伊豆の伊東〜熱川へ旅行してきました。

 と簡単に言ってしまえば、それまでなんだけど、出掛けるまでが大変。
初女装旅行の3人は、何を着てこうか、ドライヤーは持ってこうか、お風呂はどうしよう
か、ってまるで女子中学生の修学旅行みた
いな騒ぎ。
そのアドバイスをしながら、ふと気づくと、あ
たしも旅行に着ていけるような服が全然な
い!。
タンスを引っ掻きまわしても、いつもお店で
着てる派手派手ケバケバラメラメばかり。
スカートなんて股下数センチのマイクロミニ
が勢揃いで、普通のミニ丈がやっと一枚だ
け。
これじゃあどうしようもないので、行きつけの
ブテックに行って「旅行なのでおとなしめの
を」と選んでもらいました(とんだ出費よぉ)。
   
 当日はおとなし目のファッションにナチュラ
ルメイクを心掛けて集合場所の新宿駅東口
へ。
もう3人ほど集まってたけどやっぱりデカイ...
目立つ!。
「スーパーヴュー踊り子」の指定席でさっそ
く三和出版のお歳暮のビールで乾杯して、
この後28時間続く酒盛り開始。
伊東駅で降りた時ホームを歩くあたしたちは
同じ車両の乗客ほとんど全員の注目の的。
数10人の視線って圧力感じますよぉ。
    
 お宿は露天風呂に行く「登山電車」(斜行
エレベーター)で有名な伊東「陽気館」。


総出で出迎えのおかみさん以下「いらっしゃいま……」で目が点。
「お騒がせしますぅ」と挨拶したら、おかみさん「○○レディ様で男性9名のご予約でし
たから、不思議だなぁ、って思ってたんですけど……。
皆さん、おきれいな方ばかりで」。
どうも旅行代理店のお姉ちゃんに伝達を頼んどいた団体の特殊性が伝わってなかった
みたい。
創業ン十年にして初めての事態だったらしく、女性専用時間の入浴を案内されたり小
さな混乱もあったけど、気持ちよく接してくださったし、夕焼けの伊東の街を眼下に全
員で入った露天風呂、とってもすてきでした。
  
 お宿での宴会の後、遊びに行った伊東のナイトクラブで偶然静岡県のボディビル同
好会の皆さんと出会って飲んだり踊ったり。
マッチョな方ばかりだから、あたしたちがデカイのが目立たなくて、うれしかったわぁ。
  
 翌日は熱川のバナナ・ワニ園へ。珍種の「白いワニ」やゴージャスな蘭の花よりあた
したちを見てる人の方が多かったように思えたのは気のせいかなぁ。
帰りの電車では近くの席に乗り合わせた飛騨高山の親族旅行のご一行と交歓。
「ニューハーフって実物見たの初めてだよ。写真一緒にいいかね?」でパチリ。
そこで今回の懸案「誰が一番目立つか」を公平な一般人代表に質問してみました。
茶髪「娘」や夜のお店そのままのファッションの「娘」もいたから、「あたしじゃないもん
ねぇ」と安心してビールをちびちび飲んでたら、オジさん・オバさんの指がこっちを指し
てるぅ!。
「え〜っ、なんで、なんで!こんなに地味にしてったのにぃ!」
 という訳で、世間を騒がせてきましたけど、ほんとうに楽しい2日間でした。
旅先で出会った皆さん、ご家族・ご近所・職場でのいいお土産話になったら幸いです。