【第4回】お店でもてるコツは?(その1) 1995. 11

さて、皆さん、 新世界へのドアを開けてみたでしょうか?
気に入った雰囲気のお店があったら、あまり時間を置かずに2、3度通ってみてくだ
さい。そうすれば、もう貴方は「おなじみさん」です。新しい世界の魅力にひたって楽し
く遊びましょう。
えっ、何?。「じゃあ店でもてるコツはあるか」ですって。そんなこと聞かれたって、怪
しげな模擬店のママ兼本物のお店の週1回臨時お手伝いのあたしには、わからない
わよぉ。
じゃあ、本物のお店の方に聞いてみま
しょう。まず業界の名門「J」のKママか
らお願いしま〜す。
「いいお客さん?そうね、やっぱり小まめ
に通ってくれて、ちゃんと支払いしてくだ
さる方かしら」
そりゃあそうですよね。経営者としては当
然のお答え。つまらない質問をして失礼
しました。でもこれ大事な基本ですよ。
それじゃあ、この道10年のベテランホス
テスM姐さんに質問。
「う〜ん、いいお客さんて言ったってお客
さんは皆いろいろそれぞれだから ねぇ。
いいところも有れば困った所もあるのよ。
人間だから…。ねぇ、イヤなお客さんの話
でもいい?。あたしが一番イヤなのは、閉
店時間過ぎて片付け始めているのに席を
立たないお客さん。何を期待してんだか、
いいことなんて何もないのにね」
はい、含蓄のあるお言葉ありがとうござ
いました。確かにいます。「蛍の光」が鳴


ってる中でまだドッシリ腰を落ち着けている人。お店の仕事は精神労働+肉体労働だ
から閉店時間過ぎのスタッフはもうクタクタなんですよね。だけどお客さんに「片付かな
いから早く帰ってよ」とはなかなか言えない訳で、そこらへんは察してあげないと。お店
の誰かとお約束があるのだったら店の外で待つくらいの心遣いをして欲しいです。やっ
ぱり頃合をはかって、すっと席を立つのがイキ。何事も引き際が大切ということでしょう。
次は笑顔が初々しい新人ホステスのAちゃんです。
「え〜と、あたしはぁ、しつこくネチネチ触ってくる人……」
えっ、それがいいお客さん?
「……がイヤ」
あのね、「いいお客さん」を聞いてるんだけど…。 まあかわいいからいいわ。う〜ん、お
触りについては、お店お店で全然許容範囲が違うんですよね。Aちゃんのお店は、普
通のクラブですから基本的に「触りまくる」お店じゃあないわけで、要はそのお店の性格
というか雰囲気というか、それを外してやり過ぎちゃうのはやっぱりヤボでしょう。それに
ねお店のスタッフは、仮に上手に触られてもお仕事中だから、本気で感じる暇なんかな
いんです。ご自分の指先の実力を確かめてみたかったら、「お触りOK」の女装のお客さ
んで試してみる方がいいと思うな。もちろん、女装のお客さん全部が「OK」じゃなくて「N
O」の人も多いから、ちゃんとそこらへんを確かめてからが礼儀だけど。あたし?、状況と
相手と気分次第かな。でもネチネチは嫌いよ。
そんでもってあたし。
 あたしにとっての「いいお客さん」「イヤなお客さん」の話をする前に、お店でのあたしの
立場を確認しておかないといけませんよね。ちょっとややこしいんだなぁ、これが。
(1)女装のお客さん。(2)本当はお客さんなんだけど…。(3)臨時お手伝いホステス。
え〜と、 それぞれを説明すると…。ああ〜っ、もう余白がない。という訳で次回に続くの
です。