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【第27回】連載5周年、世の中は変わりました |
2000. 05
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1995年5月に始まったこの連載も、お蔭様で5周年を迎えようとしています。この間にあたしたちトランスジェンダー(性別越境者)を取り巻く社会状況は大きく変わりました。世の中が性別を越境する人たちの存在を少しずつですけども確実に認めるようになってきたのです。
話変わって、藤野さんの受賞の翌日の1月15日、新宿3丁目の中華料理店「満月廬」で、「クラブ・フェイクレディ」(CFL)の新年会が開かれました。CFLは、このコーナーをお読みの方はご存じの通り、順子が主宰する女装者の親睦グループです。「自由に、楽しく、みんなで遊ぼう」をモットーに、「社会性のある女装ライフ」を目指して、1995年4月以来、商業女装クラブや女装系のお店の枠組みにとらわれない女装者の自主企画という形で、模擬店「フェイクレディ」の一日営業や女装温泉旅行「フェイクレディ・ツアー」(FLT)、それにお花見・納涼船・屋形舟などの季節イベントを主催してきました。
この夜も、着物姿はもちろん、女子高生あり、アンミラのウェートレスあり、中国人民解放軍の女将校ありの思い思いのファッションで11名の仲間が集まり和やかな時間を過ごしました。仙台の小谷理美さんなどは出張先の花巻(岩手県)からはるばる駆けつけてくれて、ほんとうにうれしかったです。集まった人それぞれ、女装
もしない人間もいます。でも、それでいいのだと思います。CFLの活動をそれぞれの人がより良く生きるためのステップにしてくれたらばと思うのです。
「社会性のある女装ライフ」というCFLの考え方は、保守的な既存の女装世界の内部からたくさんの非難・批判を受けてきましたけども、それ以上に大勢の仲間のご支持とご協賛を得ることができました。そしてこの5年間の一般社会の動向は、CFLの考え方が間違っていなかったことを証明していると思います。これからもCFLは、女装旅行や季節イベントなど、一般の人達と接する努力を続けていきたいと思ってます。その交流を通じて、一般の人たちが、性別越境者の存在を少しでも認識してくれれば幸いに思うのです。 |
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