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お茶の水女子大学 2005年度後期「トランスジェンダー論」ご案内
(講師:三橋 順子)
【時間】
金曜7・8時限(16:40〜18:10)
【場所】
お茶の水女子大学共通講義棟2号館101号室
(東京都文京区大塚2-1-1)
【講義の主題と目標】

トランスジェンダー(性別越境)という現象を分析・考察することにより、性別二元論や生物学的な性別本質論、あるいは異性愛絶対主義にとらわれない、より多元的で多様な性別認識や性愛観、さらにはジェンダーの構築性を理解することを目的とします。

それによって、自らの性のあり様を見つめ直すとともに、より自由で広い視野に立って、現代社会における様々な性現象を冷静に分析できる目を養うことを目指します。

【授業計画】

おそらく日本で初めてとなるトランスジェンダーに関する専論講義として、受講生の皆さんの目からウロコが何枚も落ちるような講義にしたいと思っています。とは言え、日本のトランスジェンダー・スタディーズは、まだまだ学問として未成熟で、十分な研究蓄積や理論構築が為されていません。
 
講義では、トランスジェンダーとしての私の実体験や見聞を踏まえながら、また歴史的な資料分析や聞き取り調査に基づいて、トランスジェンダーと社会との関係、あるいは社会の中における性別認識の有り様を、できるだけ平易に具体的に考えていこうと思っています。そして、最終的には日本におけるトランスジェンダー・スタディーズの基礎を据えるような講義にしたいと考えています。

10/07 (1) ガイダンス −トランスジェンダーとしての私−
10/14 (2) 「性」の4要素と多層構造論
10/21 (3) トランスジェンダーとは何か
10/24 (4) トランスジェンダーの「場」と職能
11/04 (5) トランスジェンダーの社会史(古代〜近世)
11/18 (6) トランスジェンダーの社会史(近代)
11/25 (7) トランスジェンダーの現代
12/02 (8) 「性同一性障害」概念とその問題点
12/09 (9) ジェンダー・イメージの構築と転換
12/16 (10) トランスジェンダーと性別認識
01/10 (11) トランスジェンダーと性愛観
01/13 (12) 「性」の自己決定と多様性の承認
01/27 (13) 性別越境の文化と日本人
02/03 予備日
(注意)

11/11、1/20は休講です。1/10は火曜日ですが、金曜日の授業を行います。

授業内容や順序は一部変わることがあります。
外部の聴講希望の方へ

基本的に非公開授業ですので、単なる見物目的の聴講はお断りします。勉学目的で聴講を希望される方も必ず事前に三橋までメールでご連絡ください。

お茶の水女子大学のキャンパスへの出入りは、通常の大学レベルとは異なる厳しいセクリティチェックが行われています。必ず身分証明書をご用意ください。入口で身分証明書の提示を求められ、入校目的を尋ねられた場合は「非常勤講師の三橋さんに面会」と言ってください。

取材目的での聴講は、私の一存では許可できません。取り敢えず、私あてにメールでご連絡いただき、内諾をとった上で、大学当局へ直接申し入れていただきます。